秋どりエダマメ栽培におけるコスト低減と後作の春ダイコンの省力栽培の検討
JA町田市青壮年部会は、6月に昭島市で開かれた東京都農林水産業技術交換大会で「秋どりエダマメ栽培におけるコスト低減と後作の春ダイコンの省力栽培」を発表し、優秀賞を受賞しました。同部会の研究事業の内容を紹介します。
研究目的
平成26年度の研究事業では、白黒ダブルマルチと防虫ネットを活用した、秋どりエダマメ(9〜11月どり)の栽培方法を確立しました。27年度は次の課題を克服するため、1年間、部会員が協力して研究事業を行いました。
- 白黒ダブルマルチより安価な黒マルチと遮光ネットの組み合わせによる、低コスト化と発芽率の向上
- エダマメの6次化(加工品開発)
- 畑とマルチをそのまま利用した、春ダイコンの省力化栽培
使用した資材
- 黒マルチ9230
- 白黒ダブルマルチ9230
- 防虫ネット(幅1.8m 目合0.6mm)
- 遮光ネット(遮光率55%)
使用資材組み合わせ
資材の組み合わせは次の2パターンで、比較栽培を実施しました。
- 黒マルチ+防虫ネット+遮光ネット
- 白黒ダブルマルチ+防虫ネット+遮光ネット
栽培品種
栽培したエダマメ、ダイコンの品種と播種時期は表の通りです。
栽培の流れ
エダマメ
- 圃場の準備=基肥は前作の状況により根付け程度にします。耕運後、マルチを設置します。
- 播種=穴に2粒ずつ播種した後、防虫ネットでトンネル被覆し、その上に遮光ネット被覆します。なお、遮光ネットは発芽したら(播種後約4日間)撤去します。
- 追肥=第1花が咲いたら、通路に化成肥料を追肥します。
- 収穫=後作でダイコンを栽培するため、根ごと収穫します。
ダイコン(エダマメ収穫後の畑でマルチをそのまま再利用)
- 播種=穴に1粒ずつ播種します。
- トンネル設置=11月下旬(降霜前)に設置します。
- 収穫=3月下旬から収穫・販売できます。
結果
エダマメ
早生は、白黒ダブルマルチ+遮光ネットの組み合わせで、猛暑でも確実に栽培できました。
中早生は、黒マルチ+遮光ネットで十分に生育しました。ただし、猛暑時は白黒ダブルマルチの方が効果的です。
春ダイコン
エダマメの収穫後、無耕起で畑とマルチをそのまま利用しても順調に生育し、収穫できました。品種の早晩性の違いを生かせば、連続出荷もできました。
まとめ
秋どりエダマメと春ダイコンによる、秋と春の端境期出荷ができるようになり、エダマメ収穫後は畑とマルチがそのまま使え、低コスト化、省力化につながりました。この栽培方法の精度をさらに高めていきたいと考えています。
6次化の取り組み
エダマメを使ったジェラートやようかんの商品化に取り組みました。地元の商業店舗が地場産エダマメの供給を望んでいることから、さらに栽培を拡大し、農商連携の輪を広げたいと考えています。
エダマメを混ぜ込んだジェラート。
アイス工房「ラッテ」が製造
エダマメを使ったようかん。
御菓子司「明月堂」の協力による
今回の内容で不明な点がありましたら、JA町田市経済センター営農支援課青壮年部会事務局までご連絡ください。(電話:042-792-6111)
きずな.2016年_冊子掲載