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第19回:病害虫の予防を万全に ハクサイ

園芸研究家●成松次郎

 ハクサイの原産地は中国。日本に本格的に導入されたのは明治初年と意外にも新しい野菜です。生育適温は15〜20度の冷涼な気候で、寒さに強い冬の代表野菜です。

 8月中旬〜9月上旬にまき、早生種で種まき後60〜70日、中生種で80〜100日で収穫できます。

[品種]

漬物、鍋物用には大型の品種が主流ですが、小型品種もあります。年内取りは、早生品種の「晴黄65」(タキイ種苗)など、中生品種では、黄芯系の「黄ごころ85」(タキイ種苗)、「黄将」(カネコ種苗)など、また、重さ600gくらいの「娃々菜」(トキタ種苗)、「タイニーシュシュ」(サカタのタネ)などがあります。

[苗作り]

連結ポットなどに3〜4粒まき、途中、間引きをして1株にし、本葉4〜5枚の苗に仕上げます。ネットでトンネル状に覆うなどして、虫の侵入を防ぎます。

[畑の準備]

植え付け2週間前までに1平方m当たり苦土石灰100gを散布し、土とよく混ぜておきます。1週間前までに畝幅70〜80cm、深さ20cmの溝を掘り、溝1mにつき化成肥料(N-P-K=10-10-10%)100gと堆肥1kgを入れ、土とよく混ぜて畝を作ります。ウイルス病を媒介するアブラムシの飛来を防ぐには、白や銀色の反射性マルチフィルムを使うと効果的です。

[植え付け]

植え穴は50〜60cm間隔に掘り、畑が乾いていたら穴に水やりをしておきます。植え付けの深さは、子葉の下までの深さになるようにし、株元の土を手でしっかり押さえます。

[追肥]

本葉10枚のころ畝の肩に化成肥料を1株10gくらいまいて、株元に土寄せします。2回目はその20日後に通路にまき土寄せします。

[病害虫の防除]

ヨトウムシ、コナガ、アブラムシなどが多いので、オルトラン水和剤などで駆除します。病気の予防には、管理のときに葉を傷めないことですが、軟腐病では発病株を早めに除去し、広がりを防ぎます。

[収穫]

結球の頭を押さえて、葉に緩みがなく、しっかりしたら収穫時期です。

第19回:病害虫の予防を万全に ハクサイ

※関東南部以西の平たん地を基準に記事を作成しています。

成松次郎(なりまつじろう)
神奈川県農業技術センター等で野菜の研究と技術指導に従事後、
(一社)日本施設園芸協会で施設園芸及び加工・業務用野菜の生産
・流通振興に携わる。現在、園芸研究家。

※掲載内容は「JA広報通信」より引用したものです。