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第43回:シュンギク 収穫後に花も楽しもう

園芸研究家●成松次郎

 シュンギクの生育適温は15〜20度と冷涼な気候を好み、春(3〜6月)と秋(9〜11月)が栽培適期です。カロテンの含量が多く、ビタミンC、カルシウム、鉄分なども豊富です。

[品種]

 シュンギクの種類は、葉の大きさや切れ込み方により、大葉種、中葉種、小葉種に大別されます。大葉種は葉が大きく、切れ込みは浅く、えぐ味が少なく、「おたふく春菊」(中原採種場)、「菊之助」(タキイ種苗)などがあります。中葉種は切れ込みがあり香りが強い品種で、株立ち型では、「さとゆたか」(サカタのタネ)、「きわめ中葉春菊」(タキイ種苗)など、株張り型では、「菊次郎」(タキイ種苗)などがあります。

[畑の準備]

 種まき2週間前に、1平方m当たり苦土石灰100gを散布し、深く耕しておきます。1週間前に化成肥料(NPK各成分10%)100gと完熟堆肥1〜2kgを散布して土と混ぜ(図1)、ベッド幅1〜1・2mとし、高さ5cm程度の平畝を作ります。

[種まき]

 条間20cm、深さ5mm程度の浅いまき溝を4条切り、1cm間隔で種まきします(図2)。好光性種子のため、覆土はごく薄く掛けます。種まき後、十分に灌水(かんすい)し、発芽まで乾燥させないこと。また、幼苗を保護するために不織布をべた掛けすると良いでしょう。

[間引き・追肥]

 発芽後、本葉2枚までに3〜4cm間隔に間引き、株元に軽く土寄せします。この後、本葉5〜6枚の頃に、10〜15cm間隔に間引き、1平方m当たり化成肥料50gを株元にばらまき、土寄せします(図3)。

[収穫]

 中葉種の株立ち型は、草丈が25〜30cm程度になったら、葉4〜5枚を残し、摘み取り収穫します。以後、伸びてきたわき芽の葉を2枚残して切り取ります(図4-1)。株張り型と大葉種では、草丈が20〜25cm程度に育ってきたら、株ごと抜き取るか、株元から刈り取って収穫します(図4-2)。なお、春に咲く黄色い花は美しいので、株を残しておきましょう。

第43回:シュンギク 収穫後に花も楽しもう

※関東南部以西の平たん地を基準に記事を作成しています。

※掲載内容は「JA広報通信」より引用したものです。