生産者

1年がかりで作る自家製肥料で育てた自慢の作物を届ける

實方善彦(じつかたよしひこ)さん(74)
尚平(しょうへい)さん(42)
相原町

 お父様から受け継いだ土地で、こだわりの自家製肥料を使い、さまざまな作物を栽培する善彦さん。
 現在は息子の尚平さんも加わり、尚平さんは父の農業から得た技術に加え、積極的にセミナーなどにも参加し、さらに意欲的に農業に取り組んでいます。
(取材担当:堺支店丸山直之)

家族代々の農地を自然な流れで受け継ぐ

アグリハウスで品出しをする善彦さん

 善彦さんのアグリハウスへの出荷は、昨年の3月で2年を迎えました。自家製肥料を駆使し、日々研究を重ねています。
 善彦さんの就農のきっかけは小さいころから農業を手伝っていたことだそうです。会社勤めをしながら、親子で畑の管理をしていましたが、本格的に農業を始めたのは平成14年。善彦さんのお父様が亡くなられた後、代々家族で守ってきた農地を受け継ぐ形で就農しました。さまざまな作物を栽培していたお父様の影響もあって、現在も少量多品目で、年間30品目程度を堺支店の近くにある畑(あわせて約15a)で育てています。中でもブルーベリーは剪定時期などにもこだわりがあり、自慢の作物の一つです。

自家製肥料に加え出荷時にもひと工夫を

 栽培について特別なこだわりはありませんが、大切にしているのは自家製肥料を使うことです。山から落ち葉を集め、化成肥料や米ぬか、資源化センターの剪定チップなどを混ぜて1年間寝かせます。例年20㎥ほどを作り、畑に使用しています。
 また、殺虫剤の使用をできるだけ控え、資材による防除を中心に行っています。さらに、夏の暑さ対策として、昨年の夏は特に暑かったため、遮光ネットを使い野菜の保護に努めました。
 アグリハウスへ出荷するようになってからは、荷造りにもより一層注意を払うようになりました。スーパーマーケットの青果売り場も参考にしています。値札とあわせて大きなシールを貼り、「サラダカブ」や「サラダほうれん草」など、消費者目線でわかりやすい表示を心がけています。

ボランティア活動で地域貢献も忘れない

 地域とのつながりも大切にしています。昨年は地域ボランティアとして、堺中学校のさくら学級の生徒とともに、夏はミニトマトやカブ、秋冬はミニ大根や白菜の栽培を実施しました。また、昔から続けている剣道は、週2回行い、生活のリズムとなっていますが、自分自身の研鑽に加え、指導も行っています。

父と他の生産者からより良い栽培方法を模索する息子の尚平さん

 息子の尚平さんは今秋から農業実践力セミナーの講義に参加しています。講義では、さまざまなことを知ることができて楽しいと話します。農薬一つとっても、これまではいくつかの限定的な種類を使うだけだったため、登録品種や商品の多さを知ったときは、まるで呪文のように感じたのだとか。
 また、農薬事故があれば調査が行われることや、散布は朝が良いことなどを知り、より一層農薬について意識して考えるようになったのだそう。
 この10月に広大な小松菜畑の圃場見学をした際には、その荷造りの丁寧さにも驚かされたといいます。特に印象的だったのは、「表裏」を意識していることです。小松菜などは束ねる際に、表面と裏面を作ることで見栄えを良くする工夫がされていました。見学先の方は「こんなのは慣れで、2~3日ですぐできるよ」とおっしゃったようですが、尚平さんは「とても真似できません。どうしても束ねる際に緩んでしまい、まさに職人技だと感じました」と話します。
 「今後は父善彦さんの栽培方法と、他の生産者の栽培方法の両方を意識しながら、より生産性と品質の向上を目指していきたい」と、尚平さんは意識しています。